どうも! カフェテリアSKYの巻いたケンです! 今回はみんなが気になる疑問 ”目が悪いとパイロットになれないかどうか” について解説していきます。 航空身体検査についても触れるので、ぜひ最後まで楽しんでいってください!
視力が悪くてもパイロットになれる?
パイロットと視力の関係
これまでパイロットという仕事は、「高身長でスポーツができ、頭が良く、体が健康で目もいい」というような、完璧な人間しかできないと考えられてきました。(←少なくとも私は小さい頃そう思っていました、、、)
しかし、実際は違います。 数十年前には視力が、裸眼で1.0以上必要でしたが、現在は違います。 近年はスマホの普及や、遠くを見る必要が減ったなどのために、日本人の視力は低下してきています。
そういった要因と、航空機に積まれた機器の性能が向上したことにより、裸眼視力が1.0以上なくてもパイロットになれるようになりました。
目が悪くてもパイロットになれる理由
理由は簡単! 視力検査の基準が下がったから!
具体的には
[第1種]
航空身体検査マニュアル https://aeromedical.or.jp/manual/pdf/r010617_323.pdf
次のイ又はロに該当すること。ただし、ロの基準については、航空業務を行うに
当たり、常用眼鏡(航空業務を行うに当たり常用する矯正眼鏡をいう。)を使用し、
かつ、予備の眼鏡を携帯することを航空身体検査証明に付す条件とする者に限る。
イ 各眼が裸眼で0.7以上及び両眼で1.0以上の遠見視力を有すること。
ロ 各眼について、各レンズの屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲の
常用眼鏡により0.7以上、かつ、両眼で1.0以上に矯正することができる
こと。
[第2種]
次のイ又はロに該当すること。ただし、ロの基準については、航空業務を行うに当
たり、常用眼鏡(航空業務を行うに当たり常用する矯正眼鏡をいう。)を使用し、か
つ、予備の眼鏡を携帯することを航空身体検査証明に付す条件とする者に限る。
イ 各眼が裸眼で0.7以上の遠見視力を有すること。
ロ 各眼について、各レンズの屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲の
常用眼鏡により0.7以上に矯正することができること。
です。
分かりやすくいうと、メガネ(コンタクトレンズ)の各レンズの屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲で、矯正視力で片目で0.7以上、両眼で1.0以上であれば、OKということです。
第一種と第二種の違いは、事業用か自家用かです。 当然、多くの人の命を預かる事業用の基準が厳しく、私用の操縦に必要な自家用は事業用よりも基準が低くなります。
第一種 → 事業用 第二種 → 自家用
視力が悪すぎるとパイロットになれない!
視力が悪くてもパイロットになれると説明しましたが、当然悪すぎたらなれません。 仮にレンズの屈折率が(±)8ジオプトリーを超えない範囲だとしてもなれない場合があります。
具体的には、大手のJAL、ANAは屈折率が(±)4ジオプトリーで自社養成がギリギリ合格するかどうかです。 他の航空会社も(±)6ジオプトリー程度で見ていることでしょう。
なぜ航空各社は航空身体検査マニュアルの基準よりも高い基準を設けているのでしょうか?
それは、屈折度(±)8ジオプトリ―を超えた瞬間にパイロットではなくなるからです。 そんなリスクを背負って航空会社が、屈折度(±)8ジオプトリ―に近い人をわざわざ採用するはずがありません。
それに、パイロットは一生勉強し続けないといけないため、目がより悪くなる可能性が高いです。
以上から、目が悪いと基準内だとしても、パイロットになれない可能性があります。
視力と各訓練施設の関係
自社養成などでは、視力の基準が厳しいと説明しましたが、 有資格者であれば視力が悪くても採用される可能性は少なからず高まります。 その理由はパイロットの育成にお金がかかりますが、その分が減ったことと、パイロット不足の問題などが考えられます。 しかし、できれば屈折率(±)6ジオプトリー以内に収めたいところです。 大手のであればまず無理と考えた方がいいでしょう。
パイロットになるための方法ごとにまとめたもの
屈折度の制限 | |
●自社養成 | |
航空各社 | (±)4ジオプトリー (目安) |
●航空大学校 | |
航空大学校 | (±)4ジオプトリー (目安) |
●大学 | |
桜美林大学 | 屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲 |
崇城大学 | 屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲 |
法政大学 | 屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲 |
東海大学 | 屈折度が-6.0~+3.5ジオプトリー以内 |
第一工科大学 | 屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲 |
●フライトスクール | |
本田航空 | 屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲 |
朝日航空 | 屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲 |
上の表のを満たしていれば、合格できるはずです。
詳しいパイロットになる方法はこちら → 【徹底解説!】パイロットになる方法4選!
自社養成を目指す場合の視力
屈折度が(±)4ジオプトリー以内
完全に目安ですが、航空関係者に言われたため参考にしてください。
航空大学校を目指す場合の視力
屈折度が(±)4ジオプトリー以内
航空大学校は自社養成と同様にかなり身体検査に厳しいことで知られていて、自社養成の数値が参考になります。
私立大学を目指す場合の視力
東海大学のみ屈折度が-6.0~+3.5ジオプトリー以内です。
それ以外は屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲であればいいようです。
しかし、目標はライセンスを取得することではなく、エアラインに就職することなので(±)6以内である事を心掛けましょう。
フライトスクールを目指す場合の視力
屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲
日本で実績と知名度のある本田航空と朝日航空も、大学同様に基準自体は厳しくありませんが、 目標はライセンスを取得することではなく、エアラインに就職することなので(±)6以内である事を心掛けましょう。
最後は視力のいい人を優先する
視力が範囲ギリギリでも法的にパイロットになれます。 しかし、面接官・採用担当者も人です。 当然、数値の良い人が欲しいです。 数値の良くない人は、パイロットとして働けなくなるリスクも高くなるため、採用・合格しにくいと考えておくべきでしょう。
航空身体検査で注意が必要なポイント!
航空身体検査とは
パイロットとして空を飛ぶためには、操縦のためのライセンスの他に航空身体検査証明が必要になる。 なぜ必要かといえば、飛行中の事故を未然に防ぐためです。 エアラインパイロットは多くの人の命を預かる仕事であり、航空機の事故は乗客だけでなく、地上にいる人の生命・財産に影響を与える場合があるため、一般的な検査よりも厳正に検査されます。
検査項目は様々あります。
- 一般
- 呼吸器系
- 循環器系及び脈管系
- 消化器系
- 血液及び造血臓器
- 腎臓、泌尿器及び生殖器
- 運動器系
- 精神及び神経系
- 眼
- 視機能
- 耳鼻咽喉
- 聴力
- 口腔及び歯牙
- 総合
ご覧の通り、全身のすべてが検査されます。 詳しくは航空身体検査マニュアルをご覧ください。
航空身体検査マニュアル : https://aeromedical.or.jp/manual/pdf/r010617_323.pdf
航空身体検査で注意するポイント
パイロットになりたいと考えた場合、最初に医療機関で航空身体検査を受診してください。 身体検査の数値は対策により改善はできます。 しかし、脳波は対策できません。 例えば、てんかんを持っていると基準を満たせません。 まずは、脳波に異常がないかを確認してください。
次に注意すべきなのが、視機能です。 パイロットに最も求められる身体機能でもあります。 また、目はすぐに悪くなってしまいます。 視機能を低下させないために日々の日常生活がカギになります。
視機能を維持・改善する方法はあります。 私が使っているのが、、、、ガボールアイです(もっと先で説明します!)。
検査方法はどの医療機関も大きな違いはないので、事前に知っておくのは重要な対策です。 私立大学やフライトスクールの受験の際に提出を求める学校もありますので、必ず事前に受けましょう!
管理人巻いたケンの航空身体検査結果
私が永田町つばさクリニックで模擬航空身体検査を受診した際の身体検査結果です。
ぜひ参考にしてください!
※私の個人情報保護のために、一部目隠ししています。
見方としては、黒字が正常値範囲 赤が正常値よりも高い 青が正常値よりも低いです。
これまで5つの医療機関で航空身体検査を受診してきましたが、数値は似通ってきます。
身体検査の対策
身体検査の対策とは、具体的に何をすればいいのでしょう?
答えは簡単! 運動することです!
運動するだけで対策なんてできるのか?
意外かもしれませんが、運動が全てです。 私も血液検査の数値を良くするために調べまくりました。 結果はびっくりするほど ”運動” で改善できるとする医療機関や論文が多かったです。 ※一部例外的な場合もあります(甲状腺に関する数値)。
私の航空身体検査結果を見ればわかる通り、結果はそこまで悪くありません。 それは、運動した結果であると考えています。
※改善方法が気になる方は、「間接ビリルビン 数値改善」 など検査項目ごとに調べてください。
視機能の改善のために私が使用してい書籍があります。
気になる方は、「ガボールパッチ」「ガボールアイ」と、調べてみてください。
また、実際に身体検査を受診する前は、朝食は取らないように言われます。 それは、食事をすると、摂取した糖、コレステロールなどが体内に多い状態で検査することになります。
それを、できる限り避けるために私は1週間前から食事を制限しています。 加えて、前日の夜はあまり食べないように、消化のし易いものを多くとるようにしています。
水を1日2リットル飲むのもいいでしょう。 私の考えですが、尿に含まれる成分もその分薄くなり、尿検査の時に悪い数値が出ないと思います。
終わりに
操縦ライセンスは一度取得してしまえば、一生ものです。 しかし、身体検査は違います。 少なくとも、1年に1度検査が必要です。 一生健康でいるために、今から健康に気を付けなければなりません。 運動しない人の骨粗しょう症の発症リスクが高まる事がいい例です。
今から健康のために運動を行うようにしましょう!
コメント
こんにちは
私は私立大学のパイロットコースを志望してるのですが、今年の身体検査を受けたところ尿酸値と総ビリルビンが高めでした。 今からの運動で間に合いますかね? それと事前に出す健康調査書で落とされることはあるのでしょうか
コメントありがとうございます!
「今から運動すれば間に合う」と明言はできませんが、少なくとも運動すれば今よりも数値が改善できる可能性が高いです。少しずつでいいので、ランニングすることをお勧めします。
大学によっては健康調査票の内容のみで不合格の場合もあります。しかし、その場合の多くは、視覚や脳波など、パイロットには重要な項目に問題がある場合に絞られるはずです。
実際のパイロットの方の中にも、ビールを全く飲まないのに尿酸値が高く常に気を付けている方もいるので、身体に少し問題があったとしても、パイロットは目指せます。
もちろん、合格者全体が身体検査の評価が良く、かつ、筆記、面接試験でも評価がいい場合は必ず落とされてしまうでしょう。しかし、そんなことは一切ありません。高い学費が必要なので、受験者はかなり絞られます。極端な話、大学は営利目的なので、完璧な人だけを取っていては、人数が足りなく機体の維持費、教職員の人件費など出せません。つまり、問題があったとしても合格はできます。問題はその後の就職です。
これからすべきことは、運動により身体の弱点を少しでも減らし、筆記、面接などの試験で高評価をもらえるように学習をすることが近道だと思います。
[…] ちなみにパイロットになるための視力は、メガネ(コンタクトレンズ)の各レンズの屈折度が(±)8ジオプトリーを超えない範囲で、矯正視力で片目で0.7以上、両眼で1.0以上ないとならないそうです。(参考:https://cafeteriasky.com/piloteye1/) […]